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税務調査を回避!?書面添付制度を知る

2019/04/10

税務調査とは

税務調査は、国税庁及びその管轄の税務署が、納税者の申告内容を帳簿などで確認し、誤りがないかを確認する調査のことです。

日本の法人税は自分たちで会社の税金を計算して、その税額を自主的に納付するという「申告納税制度」がとられています。

 そのため納税者が適当な申告を行っていないかをチェックし、納税者の適正な申告及び納税を促し税収を確保する上で、税務調査は重要な制度となっています。

でも、納税者たる皆様にとって税務調査は決して良いイメージはありませんよね。

✔ 税務調査が入ると多額の税金が取られる(実際は適正な処理をしていればそんなことはないのですが)

✔ 税務調査が入ると何日も時間が拘束される(これは避けられない)

そのように思われている方が多いのではないでしょうか。できれば税務調査は受けたくないですよね。あ、因みに赤字だから、規模が小さいからといって税務調査が入らないわけではないので赤字会社や小規模会社の皆様も油断しないでくださいね。

さて、そんなネガティブイメージが持たれがちな税務調査ですが、そもそも回避できるかもしれない制度があるのはご存知ですか?

書面添付制度とは

簡単に言うと、税理士が申告書に対して保証書を発行する制度です。書面添付は税理士だけが行えます。これにより税務調査が省略される可能性が上がります。

書面添付制度は税理士にとってリスクとなる(記載内容に嘘があれば税理士は懲戒処分になる)ため、そもそも積極的に勧める税理士が少なく、まだ認知度が非常に低い状況です。

しかし、納税者である皆様にとっては非常に有効な制度であり、税務調査を少しでも回避したいのであれば、使って損をしない制度です。

制度適用のためには日々の適正な会計処理や税務対応が必要となるので、手間は当然かかるのですが、そもそもきちんとした対応をしている会社にとっては追加の手間はないので、適用しない手はありません(税理士報酬は上がるかもしれませんが)。

書面添付制度とはまだまだ認知度が低いと書きましたが、以下の表の通り法人税の申告書作成に税理士が関与している比率は90%近くと高いものの、そのうち書面添付制度を利用した企業はたったの9%弱という結果になっています。

書面添付制度という名称も馴染みがなく、ご存知ない方も多いのではないでしょうか。

多々メリットがある制度なのでぜひこの機会に書面添付制度の存在についてだけでも知っておいていただければと思います。(以下、平成28事業年度 国税庁実績評価書より)

  26年度 27年度 28年度
申告書提出件数 2,794千円 2,825千円 2,861千円
税理士関与割合 88.1% 88.4% 88.7%
書面添付割合 8.4% 8.6% 8.8%

書面添付制度では税理士が申告書の作成に関して計算、整理、相談に応じた事項を記載した書面を申告書に添付して提出します。

具体的には会計期間の主な増減事項として、増加した費用の明細を記載したり、税理士が相談に応じた事項、そして記帳が正確に処理されている旨の記載が行われます。

書面添付した申告書が税務調査対象となった場合

税務調査の事前通知(お宅の会社の税務調査をします!という通知)の前に税理士から意見を徴収します。

これを「意見徴収制度」といいます。

税理士から意見を聞いても、なお税務調査が必要と考えられた場合は税務調査となりますが、多くの場合は税理士からの意見徴収により税務調査が省略されたり、税務調査期間が短縮されたりします。

もし意見聴取後に、税務調査を行わないことが決まった場合、税務署から「意見聴取結果についてのお知らせ」という書面が届き、意見聴取の結果により税務調査は行わないことにした旨が記載されています。

このように書面添付をすることにより、税務調査が行われる可能性が低下するのです!

そもそも書面添付した申告書に対する意見聴取割合は3%程度といわれ(調査官にとっては書面添付がある申告書の調査は手間なので、できれば避けたい)

そのうちの70%以上が意見聴取により税務調査の対象から除かれています

書面添付の効果

✔ 税務調査の可能性が低くなる

前述した意見聴取制度により税務調査が回避される可能性が高くなるという点は、書面添付制度の大きなメリットです。

✔ 金融機関からの信頼性が高くなる

借入を行う際、銀行に決算書を提出しますが、その際に税理士による保証である、書面を添付することで、決算書に対する信頼が向上し、融資判断に有益となる可能性が高くなります。
また金融機関によっては審査項目の省略や審査機関の短縮などの効果がある場合もあります。

✔ 質の高い決算や申告ができる

書面添付制度適用のためには日々の適正な会計処理や税務対応が必要となります。手間がかかるという面倒な側面の一方、適切な決算・申告を行える体制が整うことで、月次、年次の決算書の質が高まり、経営判断を適切に行うことができるようにもなります。 また上記したように税務当局や金融機関からの信頼性も高まります。

このように書面添付制度を利用することにより、メリットは多々あります。是非導入の検討をしてみてはいかがでしょうか。


いかがでしたでしょうか。

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